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パレルモはシチリア王国の宮殿が置かれた街、今もシチリア州の州都でもある。中心市街地には見所がたくさんある。朝、散策した市場の近くには有名なマッシモ劇場、リハーサルのない時間帯なら観光客も見学ができる。劇場の前の広場は広々として馬車が何台もお客を待っている。お!と目を引いたのは歩道の敷石がなんとも美しい。
お城のある街には必ず城門があるが、ここの装飾はとても珍しい。4体の人物像は頭のかぶり物からすると北アフリカの人物のようにも見える。シチリアではこの頭の装飾品をよく見かけた。
クァットロ・カンティ(Quattro Canti=広場の交差点)は、1600年頃マクエダ通りが作られ、出来上がった交差点を、パレルモをちょうど四等分する地点でもあるし、四角を切り落と8角形にして、彫刻を置いて、街の広場となった。車のない時代は広場だったろうね。
市庁舎に面したプレトリア広場には噴水の周りに幾つもの裸体の彫刻がある。彫刻が置かれた頃は裸体は悪いと言われて、服を着せられたそうだ。
1150年代に建設された3つのドームを持つ礼拝堂Chiesa Capitolare di San Cataldo。今まで見たなかで一番小さく質素な礼拝堂かもしれない。
「ミイラを見る」と案内されたカプチン・フランシスコ修道会の地下納骨堂(カタコンベ)。無数の遺体がミイラとして安置されていた。ミイラの数から言って、この場所に眠るミイラたちは聖職者や特権階級の人ではないようだ。死者をこんな形で残しておくことは日本ではあり得ない、宗教の違いと言うか、文化の違いなんだなあ。
ちなみに、「カプチン」はカプチーノとかカプッチョとも言うらしい、フランシス修道会の坊さんが着てるマントのフードのことを意味する言葉で僧帽筋の語源でもあるらしい。
Santa Maria La Nuova Duomoと並び必ず見ておきたいのがノルマンニ宮殿内にあるパラティーナ礼拝堂だ。何とこの礼拝堂も金ぴか!
ノルマンニ宮殿(Palazzo dei Normanni, パラッツォ・デイ・ノルマンニ)はかつてのシチリア王の宮殿。9世紀にパレルモを支配していたアラブ人太守の元で建設が始まり、12世紀にルッジェーロ2世とその後継者ノルマン王たちによって拡張された。宮殿内には、1132年に建てられたアラブ・ノルマン・ビザンティンの各様式の混合様式の好例であるカッペッラ・パラティーナ(パラティーナ礼拝堂)がある。素晴らしいモザイク、精密な稲妻文様がされ彩られた木製天井、壁の下部と床は状態のいい大理石の化粧張りがされている。宮殿自体は、スペイン支配時代に再建され増築されているが、ルッジェーロ2世時代の部分、サーラ・ノルマーナと呼ばれる大広間など一部がわずかに残る。
宮殿は今は州議会の議事堂になってるそうだ。
パレルモの空港から南東方面、小高い丘の上にモンレアーレという街がある。山の斜面には珍しいことにロバが放牧されている。シチリア島最初の観光はやっぱり教会から。シチリアに来たらこの教会は必ず見なければならないほど価値があるらしい。外見地味で観光客もまばらな教会のどこが、と思いながら中に入ると・・・暗いはずの内部が眩しい。確かに他の地域で見た教会とはかなり趣きがちがう。
Santa Maria La Nuova Duomoはシチリア王国を絶頂に導いたグリエルモ2世によって1174年に建てられた。イスラム教と東西キリスト教など諸文明が交差する地としてそれぞれの要素を取り入れた建築様式で、当時の粋を集めて建てられたそうだ。礼拝堂内部は金ぴかモザイクで聖書の物語が描かれている。丁度、この時間西陽が差し込みアプスに描かれたキリストの顔がまばゆく輝いた。
柱の一本一本にも違う模様のモザイクがほどこされている。入り口のブロンズ像は王が神に教会を捧げる様子。修道院の美しい回廊の柱にもモザイクとレリーフが施されている。修道院の裏の広場には古い大きな不思議な形をした木があった。この場所からはパレルモの市街が一望出来る。かつて「黄金の谷」と言ったそうだ「え?オレンジ色の屋根がそう見えた?」と思ったが昔はこの谷はオレンジの木が沢山植えられていてその景色が黄金のように見えたそうだ。
今回訪ねたシチリアでは北の海岸から内陸を通って南の海岸、また内陸を通って東の海岸へと移動し、シチリアの田園風景を楽しむことができた。面積では九州の3分の2くらいなので結構な距離を移動してる。
北側の入り口パレルモでは海岸から起伏にとんだ地形が続く。小高い山は岩肌がむき出しになりほとんど木が生えてない。海の方ではソテツやサボテンが温かい地方をイメージさせる。内陸はなだらかな丘が続き(この風景が日本の田舎とは全く違う様子だった)森林が全くない。全てが耕地となり、果樹が整然と植えられているか牧野か畑になっている。
どこまでも続く田園風景のなか、パレルモ県とアグリジェント県の境くらいにポツリとリゾートホテルが立っている。周りは放牧地か果樹園しか見当たらない、このホテルには何を目当てにお客がくるのだろう?ホテルに立ち寄って周りの風景を写真に収めた。
幸運なことに、この時季はアーモンド、プラム、ナシ、リンゴなどの果樹の花が一斉に咲いて目を楽しませてくれた。アグリジェントの世界遺産「Valle dei Templi」紀元前5世紀に作られたギリシャ時代の神殿群は「神殿の谷」と翻訳されているが、その場所は「谷」ではなく「丘」だった。かつては森があったが樹を使い尽くしてしまったために森が無くなったとアグリジェントのガイドが言ってた。
イタリアに行ったら何を食べるか、それは旅のもう一つの目的になる。その土地の名物はとりあえず食べなければならない。ナポリでは「ピザ・マルゲリータ」を作ったピザ屋さんBrandiにも行ってみた。バジル・チーズ・トマトを使ってイタリア国旗の緑・白・赤を表現してマルゲリータ王女に捧げたことが名前の由来だそうだ。
レストランで一般的には@Antipasti前菜 APrimipiatti「第一皿」パスタ BSecondi「第二皿」肉や魚、で注文する。(詳しくはこちらのサイトで⇒フル・イタリアン・サポート)
海では魚、内陸では肉、野菜の付け合わせを頼むとフリッターや油炒めなど、さっぱりとしたものが少ないので時々サラダを頼まなければならない。どこでもよく出て来たのは茄子と塩オリーブの炒め物、アーティチョーク。日本では見たことがないが、今が旬で鉄分が多い食品らしい。
ピアツァアルメリーナ付近のマカロニウエスタン風のトラットリアで丸のままのアーティチョーク、いったいどうやって食べるのか?外側は乾いた皮で覆われて、食べられるところは中のほんの少しの部分だけ。ナイフを使って柔らかい部分だけを切り分けて(フー、これだけでつかれる)食べた。ふと隣を見ると指で外側から1まいずつはがして口にいれ、硬い部分だけをのこしてる。なんだ、そんな簡単な食べ方があったのね!今度食べることがあるか分からないけど、参考にするわ。
旅でどこの土地に行ってもその土地にしか無いものを見つけた時すごく得した気分になる。旅のコースに市場(Mercato)の散策は欠かせない。今回は移動が多かったので何度も市場に遭遇した。海に囲まれた土地なので魚がとても豊富にある、日本でよく見る魚も多い。野菜は見たこと無いものが多くてとても興味をそそられる。キッチン付きのホテルに泊まれたら絶対買って試してみるのにな、残念。(*写真をクリックすると大きくなるよ)
パレルモのホテルの近く、ガイドに「あなたが喜ぶ場所があるから朝5時半頃行ってみたら。」と言われて、えっ?いったい何?朝ヨガでもやってる?行ってみると青果市場。旬を迎えたカリフラワーやアーティチョークが山のように積まれ、活気にあふれている。
場所によって規模は違うが、野菜、果物、肉、魚、チーズ、パン、乾物、日用雑貨、衣料品など大方ある。豆類を売る乾物屋さんでシチリア産の生アーモンドを試食させてもらって、クルミ、干トマトとお土産にした。
「パスタは何にしますか?」ガイドはメニューを読み始める。いくつもいくつも言われて選びきれないので適当なところで、「じゃあ、それお願いします」もちろん選ぶのは、パスタの形ではなくソースを選ぶ。イタリアではどんな形をしててもパスタというので運ばれて来てビックリと言うこともある。 アマルフィでジャガイモとエビのパスタが運ばれた時は、「えっ」と思った。これもパスタと言うんだ!平たくて輪になって(大きなマカロニ?)一口では口に入らない。半分くらいに切るのだが、アルデンテなのでけっこう硬い。この形はさすがに珍しい、その後もいろいろな形のパスタに出会った。文字で説明するより写真を見た方が良いだろうな。(*写真をクリックすると大きくなるよ)ちなみに、ソースと具の種類は土地で採れる魚や肉、野菜によって様々ある。エビとジャガイモの取り合わせも初めてだった。
旅の楽しみは、知らないものにいくつで会えるか、ずっと見たいと思っていたものに出会えるか、思いがけず出会えて幸運だったり、ワクワクさせられること。今回の旅の記録は時系列ではなくテーマを決めて書いてみることにした。
最近日本でも「ドルチェ」という言葉が使われるようになったがこれはイタリア語で「甘いお菓子」を意味する言葉だそうだ。イタリアはそれぞれの地方で名物お菓子があるのでそれを食べるのは旅の一つの楽しみでもある。今回はシチリアを訪ねて、丁度アーモンドの花の時期とも重なって、花も見れたしアーモンドのお菓子も食べられたしでとても嬉しい旅だった。
イタリアではお昼ご飯が一日のメインで時間をかけてかなりのボリュームを食べる、その後にDolciとコーヒーなので、もうちょっと隙間開けておけば良かったな、ということがしばしばあった。食べたDolciと食べたいが食べなかったので写真に収めただけと並べてみる。
シチリア島パレルモのモンレアーレの僧院の前、バールで食べたカンノーロ。小麦粉を練って油で揚げて筒にしてその中にリコッタチーズのクリームを入れてる。大きいサイズが伝統的なサイズらしい。
シチリア島の地図で場所を確認すると北の玄関口のパレルモ、南へ下がって内陸部のカステルテルミニ、南海岸のアグリジェント、東の内陸部分モディカ、東海岸の南よりシラクーザ、少し上がって東の玄関口カターニャ、その上のタオルミーナ。地図に無い場所はイタリア本土のナポリとアマルフィ。写真はバールの壁に貼ってあったタイルの地図。
パレルモの2日目市内観光でマッシモ劇場の近くで昼食後行ったお菓子屋さんであまりにも可愛いドルチェ!最初に目に飛び込んで来たのが羊の形をしたお菓子。この後、いくつも何かの形を模したお菓子を見ることになったが、シチリア特産のアーモンドで作ったマジパンのお菓子。市場で見かけた木いちごやリコッタチーズのクリームがふんだんに使われたお菓子、どれも食べてみたかったが、お昼ご飯多くてお菓子を食べる隙間が無くなってしまった。
左がカステルテルミニのアグリツーリズモのデザート、小麦粉の生地でリコッタチーズを包んで揚げたもの。別のページで紹介するが、このレストランのメニューは凄いボリュームで入るデザートが隙間がなかったので写真だけにした。アグリジェントの隠れ家レストランで、プリン、アーモンドのタルト、イチゴのムース
左、南の海岸から少し内陸に入った街モディカのチョコレート砂糖を溶かさずに入れてるのでざらざらした食感。お土産に買った。東海岸シラクーザでウインドウに飾られたマジパン、どの街に行ってもマジパンの果物が沢山並べられていた。カターニャの海の幸のおいしいレストランでチョコレートのムース、どちらもとてもコッテリ。