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日々の出来事

2020/01/19

去年見た映画

また去年の事で恐縮なんだが・・・、時々行く「シネマ5」という映画館で、「シニア」会員の登録をして1200円払ったらその年のうちに60歳になる人は1月からシニア料金で見られるというのだ。9月の誕生日の私は、「やったー9ヶ月も早くシニア料金で見られる!」と喜んで一昨年の暮れに登録した。しかし、結局観に行ったのは10回。10回目はご招待だから無料なのだが、最後が「永遠の門〜ゴッホの見た未来」12月29日に滑り込んだ。

10回しか見られなかった中でも上映を心待ちにして、面白かった!と言えるのが東京新聞記者の望月衣塑子さん原案の『新聞記者』。日本では最近政治を批判するよな映画が作られず、物足りなさを感じていたが、あくまでフィクションと断りながら、今起きてる政治の現場そのものが描かれている。かなりドキドキする場面もあって、目が離せない。この映画には「END」がなくて、つまり、現在進行形で起きている政治の問題を「私たちこのままでいいんですか?」と問いかける新聞記者。その続きは映画を見た私たちに託されたのだろうと思う。見てない人はどこかで再上映があるかもしれない、ぜひ見て欲しい。
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映画館の上映ではないが、見てない人絶対見てというか、日本人みんな見て欲しいと思った海外ドラマ『チェルノブイリ』。33年前に旧ソビエトで起きた原発事故。実際、どんな事故だったのかよく知らなかったので見てみたいと思ったのだが、見た人の感想は「どんなホラー映画よりも怖い」と書かれている。

「1986年4月26日、旧ソビエト社会主義共和国連邦のチェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故の真実に迫る。未曾有の原発事故の発生に、冷戦下の旧ソビエト政府が事態を隠ぺいしようとする中、被害の拡大を少しでも抑えようと必死に戦った英雄たちがいた。」

ドラマは、事故当日の事、事故処理の事、真相究明の裁判など5話で構成されている。1話が1時間20分くらいあるので、続けて見るのはかなりのボリューム。

原発火災が発生して消火活動に参加した消防士が放射能で汚染された黒檀と知らずに手で持ち上げて、被曝火傷する場面、水蒸気爆発を防ぐために、放射能で汚染されたプールの水を抜きに行く場面、爆発事故と知らずに住民たちが戸外で見物する場面、原因究明のために入院中の消防士を学者が訪ねる場面、汚染水の水を抜くために1000人の炭鉱夫を雇いトンネルを掘らせるが、あまりの暑さに裸で作業する炭鉱夫たちの姿など、放射線が及ぼす影響を知らずにいる人たちの姿が恐ろしくもある。 「ウランの原子はそれぞれ弾丸のようにあらゆるものを貫通する。金属もコンクリートも人体も、チェルノブイリにはそれが3兆個以上もある。中には5万年以上反応し続けるものもある」と科学者の説明が被害の大きさを物語っている。

このドラマを見て、原発事故がこんなにも過酷な事なのだと改めて知り、事故がどのように起きるか予測できないし、一旦事故が起きれば、科学者がどんなに知恵を絞っても人間の手に負えないものなのだという事を物語っている。恐ろしいと思うのは、事故そのものもそうだが、それを隠そうとする政府の考え方。

日本はどうか?東京電力福島第1原発事故から間もなく9年になろうとしている。チェルノブイリに匹敵する事故と言われながら、その後どうなったのか、事故原発の状態は?処理に当たった人たちの健康状態どうなのか?その事が隠されたまま、再稼働と新設だ。原子力になんの知識もない政治指導者が福島はアンダーコントロールされていると言って東京オリンピックを誘致したが、本当に安全なのか?チェルノブイリ事故を隠蔽しようとした政治指導者と日本の政治指導者が重なって、よけいに恐ろしく思えた。
まだ見てない人は、ぜひ見て欲しい。

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