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日々の出来事

2020/02/24

ほっぺが落ちるチーズの王様パルミジャーノ・レッジャーノParmigiano・Reggiano

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新型コロナウイルス肺炎の騒動が日本でも現実味を帯びてきた頃、どうか成田で感染しませんようにと思いながらイタリアに向かった。イタリアの空港では一人ずつ額で熱を計測されて入国した。後にクルーズ船の患者に死者がでたとイタリアでも伝えられたのに、日本に帰った時には、カメラだけで熱計測もなかったので、意外に甘いような気がした。

さて、旅の始まりはパルミジャーノ・レッジャーノの工場を見ること、お土産にチーズをたくさん買うこと。以前、機内食で出されて、持ち帰り食べたチーズが美味しくて「何この美味しさ!」と感激し、それから必ず買って帰ることにしているが、今回はその工場に連れて行ってもらうことにした。

パルミジャーノ・レッジャーノはチーズの王様とも言われる、イタリアの食卓には欠かせない、パスタや料理に削って出される粉状の物だが、日本で言われてる「粉チーズ」とは全く別物なのだ。パルミジャーノ・レッジャーノの産地はエミリアロマーニャ州パルマ県とその周辺、ミラノとボローニャの中間くらいの広大な平野に位置している。

製造工程写真下左から。左に映る巨大なトレイに前日550リットルの牛乳が入れられ一晩置いてクリームを分離した乳を朝絞った牛乳と合わせて釜に入れて混ぜる。
凝固した塊を引き上げる。
布に引き上げて等分にする。
等分にした塊を2つの布にそれぞれ載せる。相当重たいはず。

   

二つに分けられた塊は風呂敷に包まれて吊るされる
天井から吊るされた滑車で次の作業工程に移動する
型にはめ重石を置き水分を抜く
帯状の型紙には生産者や製造釜の番号や製造年月日がパンチされ、チーズに巻き付けられる。これがチーズの表面に刻印されたツブツブの正体なのだ。

   

型から出されたチーズは塩水に漬けられる。この工場ではチーズを沈めることで上下を返す手間を省き、塩も岩塩を入れることで一定の塩分濃度を保つようにしている。
塩水から引き上げられたチーズにパンチがしっかり入っていた。「D.O.P」は原産地名称保護の意味。
この後、熟成室に移動する。この熟成室には27000個のチーズが眠る。

   

産地の品質を守るために原料の牧草から厳しい規制があり、出来上がりもきちんと検査した物した認められないとのこと。この重たいチーズを棚から下ろし叩いて音を聞く。合格した物には焼印が押される。
不合格だった物は外側に筋が入れられる。この工場では27000個のうち5個くらいしか不合格がでないので、優良な工場となる。

  

この辺りは、チーズだけでなく、生ハムの製造も有名で近くに「生ハムバール」というのがあるので訪ねてみた。製造工程は見れなかったが、熟成室とショップを見せてもらった。この店も放し飼いの黒豚を使って作っているとのことで、しかし、熟成室の肉の多さに圧倒される。