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日々の出来事

2020/03/07

二人の大統領が統治する国・サン・マリノ共和国

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イタリアでヴァチカンと並んで独立を維持しているサン・マリノ共和国。そこは、エミリア・ロマーニャ州の最南部リミニ県と境を接する、アドリア海から25キロほど内陸にある海抜700メートルのティターノ山に位置する。日本でも旅番組で紹介されたためか、行きたがる日本人が多いとガイドは言う。私がイタリアに行き始めた頃に、ヴァチカンの他にも独立共和国があることを知って「なぜ、どうして、どうやって、どんなところ」と機会があれば行ってみたいと思い続けていた。

   

さて、国の始まりは、301年にローマ皇帝からの迫害を逃れた石工のマリノがキリスト教徒の共同体を作ったことが始まりと言い伝えられている。12世紀から共和制をとる国(現存する世界最古の共和国と言われている)で、1243年から2人の大統領が半年ごとに交代で政治を行ってきた。2人制をとるのは不正が行われないように、監視をする意味もあるようだ。2人の大統領は国会議員から互選されるという。自由を重んじる国として、第2次世界大戦の時に、ナチスの迫害を逃れた人々を受け入れたそうだ。国会議事堂前の広場は「Libertá=自由」と呼ばれる。女性が参政権を得たのは1960年のこと。
国会議事堂には入場料を払えば入場できる。2人大統領がいる国会って興味がそそられる。 暦は独自のサンマリノ暦を使うということで、今年は1720年だそうだ。

   

この国会議事堂は19世紀末の建物だが、国のシンボルとなる3つの塔など中世の姿を残す。さらに急坂を登っていかなければならない(トレッキングシューズできて正解)。この坂の沿道になぜか貴金属などを売る土産店が続く。標高700メートルの風は冷たい。

サンマリノの象徴の3つの塔はそれぞれ離れた峰に立っている1つ目の塔Rocc o Guaitaまで登ってみた。塔の中は資料室で、昔の武具などが展示されている。

   

第2の塔Cast o Frattaまでは坂を下りてまた登るなので、肉眼で見ても結構な距離があるのでここで引き返す。

   

旅の日程とは関係なくこの文章を書き始めた。なぜかというと、私がイタリアから帰って、数日後にイタリアでもコロナウイルスの感染が拡大し、ロンバルデイア州(マルペンサ国際空港がある)では移動を制限する措置が取られるようになり、日本でも感染が拡大しはじめたのだ。そして、2月27日夕、安倍首相は突然「小・中・高校の一律休校を要請する」と発表したのだ。国会で議論するでもなく、閣議を開くわけでもなく、厚労省や文科省と相談するでもなく、まして現場や国民の声を聞くでもなく。すべての国民が「えっー!!!!!!!」と驚愕の声を上げたに違いない。大分県は、すぐさま一斉休校を決めて伝達した。首相が言った一言でなぜすぐ右へ倣えなのか?おかしくないか?この国は首相の言うことがすべてを決めるのか?それではまるで独裁国家ではないのか?この国の政治システムはどうかなってしまったのか?アベが首相になって7年は長すぎる・・・・・、日本も人口3万のこの小さな国の政治システムを参考にしてみたらいかがか?